株式会社カネカ 鹿島工場
| Page1. | 引継業務の効率化と世代を超えたコミュニケーションの活性化を実現 |
| Page2. | 現場の経験やノウハウの継承に加え、さらなる効率化と付加価値を提供 |
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引継業務の効率化と世代を超えたコミュニケーションの活性化を実現
「鹿島工場で生産する塩化ビニール樹脂は約20種類、塩ビペースト樹脂では約30種類の製品ラインナップがあります。これらは、製品ごとに原材料の配合や処理プロセスが微妙に違っており、そのため当日の温度や設備の稼働状況に応じた微調整を行うなど、繊細な運転技術が求められます。もちろん、運転異常や警報に対する対応など、オペレーターの経験やノウハウも問われるラインの1つです」(寺内職長)
鹿島工場では、過去の運転異常や警報、設備異常について、その対処方法を含めて業務引継ノートに逐一記録、トラブルが発生するたびにこのノートに立ち戻り、過去の履歴や対応状況を参考に現状に対処するという方法をとっていました。また、トラブルの集計についてもこのノートの記述を基に手作業で行っていました。この方法は過去20数年続いた製造現場に馴染んだ方法でしたが、そこに導入されたのが、山武の申し送り業務を電子化する操業知識ベース(OKB:Operation Knowledge Base™)です。

「情報化が進み、2007年問題などの技術継承が問われる今日、紙ベースでの運用をこのまま続けていいのだろうかという疑問を常々感じていました。カネカ鹿島工場では今後2〜3年かけて製造実行システム(MES:Manufacturing Execution System)の基本部分を構築していくこととし、2004年度をMES元年と位置付けて、これまでにない取組みを開始しました。生産管理システムと制御システムの機能向上を図りながら、オペレーターとの有機的な統合を目指し、OKBの採用を決定しました」(津下チームリーダー)
しかし、これまでノートで行ってきた業務引継をPCに変えて電子化するという試みは、製造の現場から見ると極めて大きな変化だといえます。しかしながら実際には、OKBの導入は予想していたほどの大きな混乱もなく受け入れられ、特に熟練層を中心にした積極的な取組みが目立ったといいます。
「事前に導入の目的などを伝えていたのですが、引継業務の電子化は意外にも若手を戸惑わせたようです。一方、ベテランは電子化によるメリットを正しく理解していたせいか、PCを使うという気負いも少なく道具として使いこなそうという強い意識を感じました」(寺内職長)
実際に導入されたOKBについても、現場の状況説明のためにデジタルカメラの画像を積極的に取り込んだり、新人の記載内容の不備をベテランがその場で訂正したりするなど、お互いのコミュニケーション密度が高まる傾向があると評価しています。ほかにも、一人ひとりの入力データがそのまま記録として保存されるため、強い責任感を感じるようになったという声も聞こえてきました。
「OKBのメリットは情報を効率的に活用できる点にあります。職長の職務に、各担当のノートの内容をチェックして日報にまとめる作業があるのですが、これに約2時間を費やすこともありました。それが、OKB導入後は約10分に短縮できました。その短縮できた時間をオペレーターとのコミュニケーションに使えるなど、数字に置き換えられない効果も大きいですね。また、トラブルの集計についてもOKBの検索機能で瞬時に行えるようになったため、それまでかかっていた時間を解析作業に使えるようになりました」(寺内職長)
この記事は山武グループのPR誌Savemation(セーブメーション)2005年11月号に掲載されたものです。
