住友化学工業株式会社 大阪工場 有機合成研究所
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クリティカル環境の安全と省エネルギーを両立させ、データを未来へ活用するシステム

「今回の有機合成研究所建設では、10年後も時代遅れとならない革新的な研究施設の実現を目標としてプロジェクトチームがスタート」(西本課長代理)したのが2001年(平成13年)のことでした。「旧高槻研究所時代には、常に『ドラフトチャンバー』により大量の排気が行われていたため、研究室内が負圧になり、多量の外気が流入し、夏暑く冬寒いという悪環境」(藤田技術総括リーダー)が続いてきたといいます。そこで、実験室内の安全性と快適環境の確保、及び給排気に伴う省エネルギーレベルの向上に照準をあわせ「ドラフトチャンバー」の制御システムの検討に入ったのです。
山武がこの分野で協業する研究装置の国内最大手メーカーである株式会社ダルトンとともに提案したクリティカル環境システム(現:研究施設向け環境制御システム)は、ドラフトチャンバーに米国フェニックス・コントロールズ社のCeleri II ™というデジタル式通信を用いた可変風量バルブ(VAV)を国内で初めて導入したシステムでした。このシステムでは、ドラフトチャンバーの開口面積から必要な排気風量を演算し高速動作する風量制御バルブでドラフトチャンバーの開口率に応じた適切な排気量にコントロールすることができます。さらには、空調処理でコストのかかっている室内エアを過剰に排気させないために、人検知センサによって、ドラフト前面での実験者の存在を検知し、こまめな排気風速の切り替えを行うことなどにより、省エネ効果を向上させています。「24時間運転しているドラフトチャンバーを備えた実験室では省エネルギー対策は重要で、導入コストをランニングコストでカバーしていける高い機能のこのクリティカル環境システム(現:研究施設向け環境制御システム)を導入することにより、省エネ効果とあわせて課題であった実験室負圧対策や快適環境の確保も実現でき、満足しています」(上垣工務部長)との評価をいただいています。
また、システム導入が決まった後、ドラフトチャンバーの運用データを把握するため、ドラフト管理システム(CEMS)が住友化学工業と山武の共同で開発されました。このCEMSは、新研究棟の立ち上がりと同時に運用が開始されており、デジタル式VAVバルブなどからのデータを解析することにより、実験室単位での安全性や省エネルギー効果などの分析も実施しています。と同時に、CEMSにより長期にわたってドラフトチャンバーの稼動データが蓄積でき、この蓄積情報は、将来の装置増設や研究棟の改修・新設において、住友化学工業のデファクトデータとなり、さらに安全で効率の高い研究棟を建設する上で有効な活用が期待されています。
この記事は山武グループのPR誌「Savemation(セーブメーション)」(現:azbilグループPR誌「azbil」)の
2003年11月号に掲載されたものです。
