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黒田養鶏場

Page1. データ活用で飼育率向上とシステムの育成を目指す
Page2. 鶏舎管理の自動化を通し養鶏農家を支える初のシステム
Page3. お客様紹介

データ活用で飼育率向上とシステムの育成を目指す

閉鎖鶏舎
閉鎖鶏舎
黒田養鶏場は、現在5鶏舎で5万羽の食肉養鶏(以下養鶏)を行っている専業農家です。20年のキャリアを持つベテラン養鶏家の黒田氏ですが、飼育開始当初には数多くの苦労があったといいます。専門的な養鶏飼育マニュアルに沿った飼育に際しても、飼育日程に合わせた温度調節を頻繁に手動で設定するなど、手のかかる難しいものでした。しかし現在では、「鶏の顔が見える」という氏の言葉が象徴するように、暑いと鶏舎内に散り、寒いと集まってくる鶏の動きなどを通し、鶏舎管理を肌身で感じて行う、さまざまなノウハウを蓄積しています。

黒田養鶏場では、飼育小屋を設置し、これまでほとんどここに寝泊りするかたちで鶏舎管理をきめ細かく行ってきました。例えば、鶏が起きて餌をついばみ始める午前2時頃には、自動給餌器が止まっていないかを起きて確認していました。また、鶏舎は自宅から車で15分ほどの人里離れた場所に展開されており、万一停電などで鶏舎のファンが回らなかった場合、閉鎖鶏舎では酸欠状態になることもあります。そして、温度調節が行われなければ、40℃近い体温を持つ出荷前の鶏では鶏舎温度上昇による「熱射病状態」が発生し、大量死も免れない事態が発生することもあります。こうした環境では、リスク回避のために、飼育小屋に寝泊りする直接管理は欠かせないものでした。

出荷を約1週間後に控えた若鶏
出荷を約1週間後に控えた若鶏
山武のグループ企業である株式会社イー・エス・ディでは、2003年(平成15年)秋に鶏舎管理用の制御システム「コッコマイコンTM」を市場投入しました。黒田養鶏場では2004年(平成16年)初頭よりこのシステムを導入し、鶏舎管理の自動化を図り、自動給餌器の故障などは、故障警報でいつでも対応することができるようになりました。

一般に、生後すぐの雛で仕入れられる鶏は、雄で52日、雌で58日ほどの飼育期間に約3kgに生育します。この間にどれくらいの飼料を食べたかを「飼料要求率」といいますが、10日齢程度まで育成に最適の環境で育った雛は、その後の発育がよく、飼料要求率も下がって効率のいい出荷が行えることになります。ことに近年では、飼料要求率の低い雛へと品種改良が行われて生産性の向上が図られているといいます。

「仕入れる雛が、より成長度合いのよいものに向上していくに従って、鶏舎管理も昔の鶏に比べてデリケートで難しい飼育環境が要求されるようになってきました」(黒田氏)

黒田養鶏場では、飼育小屋にコッコマイコンを設置して、5鶏舎の管理を行っていますが、現在では温度の急激な変化の少ない昼間は、飼育小屋を離れることができるようになったといいます。と同時に、温度管理、自動給餌などについても、万一の場合は離れていても警報を携帯電話で受けられるので、迅速な対応ができ、安心した管理が保たれています。

さらにコッコマイコンでは、温度や餌の状況がデータとして蓄積されるため、さかのぼって飼育状況が分析できます。その分析結果に基づき、次の飼育で修正をかけて用いることで、より精度の高い飼育が行えます。

「自分の養鶏経験や知識を通して、蓄積したデータを次の飼育に反映させることができます。その結果、さらに質のいい鶏を出荷できるので、その意味では、システムを育てていけるという点でも、自分にとっては大変興味深く、面白いシステムだといえます。いわば、養鶏の将来性を自分で作っていけるという思いです」(黒田氏)

黒田養鶏場では、システム導入後、育成率が向上し、生産指標が以前よりかなり高まっている実感を得ているといいます。


この記事は山武グループのPR誌「Savemation(セーブメーション)」(現:azbilグループPR誌「azbil」)の
2005年12月号に掲載されたものです。

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