バイオ技術領域 ─DNAチップ─
生命の設計図であるゲノムの基本的な単位は4種類の塩基A(アデニン)、G(グアニン)、C(シトシン)、T(チミン)であり、これらがある規則に従って鎖状に連なって(配列)細胞全てに格納されています。ゲノムの中に遺伝子と呼ばれる領域があり、この遺伝子を元にして必要なタイミングに必要な場所で必要なたんぱく質が生成されます。またゲノムが次の世代に受け継がれていくことで生物種の維持がされていきます。例えば、ヒトの細胞は約60兆個、その各細胞に納められているゲノムは約30億個の塩基からなり、2万から3万遺伝子をもちます。生物種によりゲノムは異なり、同じ生物種でも個体毎で微妙に違う配列部位があります。しかし同じ個体であれば個々の細胞内のゲノムの配列は同じです。この個体毎の配列の違いが種内の多様性を確保し、種が継続のための環境変化への順応に役立っているといわれています。
2000年代に入り、ヒトを始めとする各種生物のゲノムの塩基配列と遺伝子領域が解明されました。これはA、G、C、Tの塩基の並びがわかったというだけであり、その配列の意味する機能がわかったわけではありません。この遺伝子の機能を研究する目的で、遺伝子の発現量(どれだけたんぱく質が生成されるか)を計測するDNAチップが1990年代後半開発されました。このDNAチップは網羅的発現解析チップと呼ばれ、ある生物種の全ての遺伝子、ヒトであれば2万から3万の遺伝子を1枚のチップで検出できます。
一方、山武では特定の遺伝子群を感度良く検出できる次世代のDNAチップを研究開発しています。前述のように種内の遺伝子の多様性に関連して、ヒトであれば太りやすい、ある疾病にかかりやすい、ある薬剤に敏感な体質などが、遺伝子の配列の違いにより判別できると考えられており、医療、創薬、食品、農業、環境などの分野で遺伝子の微妙な違いを感度良く検出できるDNAチップが非常に有用となります。また、これは現在世の中で盛んに言われはじめている、テーラーメイド医療やテーラーメイド健康の実現のための重要なツールとなり、ひいては健康安心社会の実現に繋がります。山武は、DNAチップを皮切りに、これまで工業分野、建物分野で培ってきた計測制御技術をベースにライフサイエンス分野の重要なツールとして期待されているバイオチップの研究開発に取り組んでいきます。
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