人を中心とした省エネと快適性の融合を実現する研究開発拠点
運用実績を生かし、お客さまに最適のノウハウを提供
株式会社 山武 藤沢テクノセンターは、研究開発とエンジニアリング機能を集約した研究開発棟です。
山武グループの省エネルギー技術ビルオートメーション技術を集大成した第100建物では、人が体感する「安心」「快適」さらに入居者の交流を実現する職場環境を追求。
より高い省エネルギー効果実現のためのデータ収集や入居者による様々な体感実験を行い、そのノウハウをお客さまに提供していきます。

「人を中心とした」究極の省エネモデルビルを目指す
2004年秋、新しい研究施設の建設計画がスタートし、藤沢工場環境安全グループ(当時)を中心とするプロジェクトチームが結成されました。目指したのは、居住する人の快適性と省エネルギーを同時に実現する、「人を中心とした」究極の省エネモデルビル。設計コンセプトに、自然エネルギーの有効利用、居住者参加型の運用管理、周辺環境との調和を採用し、CASBEE(建築物総合環境性能評価システム)*のSランクを取得しました。
新しい建物の課題となったのは、省エネルギー活動に最も大切な、人が関与する部分を残すこと。藤沢テクノセンターでは、人の手による外気導入や紐による照明の消灯など、「省エネルギー活動」に人の手を加えることで、環境に対する高い意識を育成しています。
山武は、藤沢テクノセンターで得られたデータやノウハウを蓄積し、ビルシステムカンパニーと連携を取りながら、ビルディングメンテナンスや省エネルギー対策に活用していきたいと考えています。これからも、快適さと省エネルギーのあくなき追求を第100建物より発信し続けていきます。
*「CASBEE」(建築物総合環境性能評価システム)のSランクを取得
「CASBEE」とは環境負荷削減の側面はもとより、環境品質・性能の向上といった側面も含め、建築物の環境性能を総合的に評価、格付けするシステム。藤沢テクノセンターでは、環境効率のランキングでは5段階の評価基準の中で最上位に当たる「Sランク(素晴らしい)」を取得し、高い環境性能が評価されています。
「CASBEE」とは環境負荷削減の側面はもとより、環境品質・性能の向上といった側面も含め、建築物の環境性能を総合的に評価、格付けするシステム。藤沢テクノセンターでは、環境効率のランキングでは5段階の評価基準の中で最上位に当たる「Sランク(素晴らしい)」を取得し、高い環境性能が評価されています。
- 高効率熱源機器と氷蓄熱
熱源機器は、ランニングコストの低減と省エネルギーを目指して、高効率空冷ヒートポンプチラーと氷蓄熱を採用。 - 自然エネルギーの利用
各階換気パネルと屋上換気塔を利用した自然換気を行っている。換気パネルには、マイクロエアフィルターを設け、花粉の侵入や雨水の浸入を防止。夜間のナイトパージにも利用している。空調風量のほぼ100%を外気冷房として利用可能。 - 変流量、変風量制御による大温度差空調でポンプ・ファン搬送エネルギーの削減
・送水温度差(送水、還水の温度差)
【通常5℃差(7〜12℃)⇒10℃差(6〜16℃)】
・送風温度差(給気・換気の温度差)
【 通常10℃差(16〜26℃)⇒14℃差(12〜26℃)】
・VAV(Variable Air Volume:変風量方式)、VWV(Variable Water Volume:変流量方式) - 日射遮蔽
高遮熱・高断熱(Low-ε)ガラスの全面採用により、夏期の日射を遮蔽。建物内熱負荷を約33%削減。
(PAL値 300MJ/m2→200MJ/m2 33%削減)
※PAL値:建築物の外壁、窓などを通して、外壁から水平距離5m以内のエリアの熱の損失防止に関する指標 - 環境の可視化
居住者参加による省エネルギー・環境負荷削減の実践BEMS(Building Energy Management System)を導入し、計測・計量により運用実施の把握と評価を行い、改善手法の検討と実行により環境性能の向上を図る。

- 照明制御
高効率で寿命の長いHf蛍光灯を主体とし、明るさセンサによる初期照度補正制御、昼光利用制御、人感センサによる在/不在検知制御を行うことで、必要な明るさを確保しつつ、省エネルギー化を図る。 - 雨水利用と節水器具の採用
トイレ洗浄水の削減
約35%以上の節水効果
・雨水収集装置による雨水再利用
・大便器フラッシュ洗浄量 13リットル/回→8リットル回
・女子トイレには音姫(擬似洗浄音)を設置
- 透水性舗装
敷地外溝の過半を、透水性舗装とすることで、敷地周辺の雨水流出抑制と温熱環境改善を図る。 - 百年建築
〈耐用期間:(通常)60年を100年設計に〉
・エコマテリアルを使用し、長寿命化
・階高と床荷重にゆとりを持たせ、将来の可変にフレキシブルに対応
・設備バルコニーを各階に設け、設備機器の追加や更新に備える
コミュニケーションとシナジーを強化する建物に
山武は、ITによるコミュニケーションには限界があると考え、「人と人のつながりから生まれる発想」を重視する研究施設として藤沢テクノセンターを計画しました。これまで分散していた各事業の開発・エンジニアリング部門を1カ所に集結。企業内シナジーを解決する設計デザインを導入し、人と人のコミュニケーションとシナジーを強化したクリエイティブな職場環境を実現しました。全館吹き抜けのアトリウムに設置したコミュニケーション階段は、発想とシナジーの源となっています。
写真右:コミュニケーション階段
研究・開発・エンジニアリング要員のコミュニケーションを図るために、7階まで吹き抜けのコミュニケーション階段を設置。
研究・開発・エンジニアリング要員のコミュニケーションを図るために、7階まで吹き抜けのコミュニケーション階段を設置。
新棟・100建物の仕掛人
100建省エネ活動の現場から
藤沢テクノセンターセンター長付 次長
エネルギー管理士(熱・電気)、環境カウンセラー、セーフティーサブアセッサー
塚越 隆啓
「今まで培った省エネノウハウを活かし、安全性と快適性を重視した先進の省エネモデル建物を目指し、ほぼ狙い通りの建物が実現できました。今後は各種データの分析により効果の検証を行い、さらなる改善を進めていきます。」
施主代行の重い責任と高い達成感
日本ファシリティ・ソリューション株式会社技術本部 工事管理部
部長代理
土田 浩氏
「100周年事業としての“テクノセンター”の意味を理解し、コストパフォーマンスの高い建物を完成できたのは、山武から高レベルの要求があったから。シナジーを強く意識すると同時に将来へのフレキシビリティも備えています。」
逆転の発想から生まれた省エネ建築設計
株式会社 日建設計設計部門 設計室
設計長
吉村 憲氏
「新棟100建物は、山武の省エネ技術と日建設計による環境設計のコラボレーションの成果。個別の空調で建物全体を制御したり、南側より北側の窓を大きくとって直射日光の影響を少なくするなど、随所に逆転の発想を取り入れています。」
