トレーサビリティシステムの普及に向けて農家、農協向けの生産支援ソフトウエアを開発。
生産履歴のデータベースが簡単に作れ、生産管理・品質管理・労務管理が楽になるとともに消費者、販売先にアピールできます。
2003年11月4日
株式会社 山武
株式会社 山武
株式会社 山武は、食品のトレーサビリティシステムに連動した生産履歴データベースシステムと、営農支援・情報公開システムを一つに統合した生産支援ソフトウエア「トレースナビ生産支援システム」を開発、販売を開始します。
本システムの構成はハードウエアとして
- サーバ用パソコン
- OCR用スキャナ
- OCR帳票作成プリンタ
- インターネット接続機器
一般的な使用方法は、農家は農薬・肥料、その他資材の使用、時期及び作業内容などの生産履歴情報を用紙に手書きで記入して農協に持参します。農協はこの用紙をOCRで読み込んで生産履歴データベースを作成し、管理できます。農協ではこのデータベースをもとに消費者や販売先からの要請に基づき簡単に生産履歴情報を公開することができます。また、蓄積した情報を支援機能により活用して農家に対して営農指導、資材選定、技術改善のアドバイスを行なうことができます。
●開発の背景
山武は平成13年度からトレーサビリティシステムの構築に取り組み、平成14年3月には農産物の生産から流通、小売までの生産・流通情報を管理するシステムを国内で初めて開発しました。(製品名「お野菜どこからナビ」:現在は「トレースナビ」と改称)同年、農林水産省総合食料局の安心・安全情報提供高度化事業を青果物EDI協議会で受託、その一員として開発・実証試験を重ねてきました。平成15年度は農林水産省消費安全局のトレーサビリティシステムの開発・実証試験を選果場及び食品加工場のテーマで青果物EDI協議会が受託し、その一員として参加しています。
●トレーサビリティシステム普及の障害を解決
食に対して消費者から安心と信頼を得るためには生産段階、流通段階、加工段階、小売段階の各段階において食の安全性を確保し、その情報を提供すること求められています。その対応の一つとしてトレーサビリティシステムが期待されています。トレーサビリティシステムは食のフードチェーンにおける生産履歴、流通履歴などを作成し、遡及と追跡が出来ることとされていますが、全国の生産者・団体、流通企業、加工企業、小売企業、消費者等の意見や要望を聞いたところ、流通、加工、小売企業、消費者が強く求めているのは第一には生産履歴や品質情報であることが分かりました。
既に生産段階としての責任を担保するために、生産側では生産履歴の記帳運動を展開しています。しかし生産者を多く抱える農協では紙による記帳だけでは保管や情報提供のための経費や労力的負担が大きいため、その支援のためにデータベース化が求められています。一方生産履歴や品質情報をデータベース化するには経済的にも労力的にも負担が大きすぎることがわかりました。これまでの生産履歴のデータベース化は農家自身が直接パソコンを購入してデータを入力したり、農家が作成した記帳データを農協でパソコンに代行入力をしたり、他の委託企業に代行入力を依頼するものでしたので、労力、費用の等の理由で参加できる農家や農協は限られていました。トレーサビリティシステムは生産、流通、加工、小売までの情報の連携が必要で、生産側の参加率が低いことは普及のさまたげになっていました。
そこで今回、生産側の参加を容易にするため農家は配布された記帳の用紙に履歴を記載するだけ済み、農協ではその用紙をOCRでパソコンに読み込ませることにより、生産履歴データベースが簡単に作成できるようにしました。また記帳の様式は品目や用途により農協毎に様々であり、農家の記帳の負担を減らすにはそれらに合わせることが求められていますので、カスタマイズ機能により対応し、参加しやすい環境を用意しました。生産履歴は単にデータベース化するだけでなく、情報を活用し、営農や運用管理の支援を行うことが重要で、支援のために豊富な機能を用意しています。
●トレースナビ生産支援システムの特長
- OCR入力をサポートすることによりデータベースが簡単に作成できます。また希望する生産者に対してはパソコン、携帯等のITを利用した入力も同時にサポートしており、より詳細なデータベースを作成できます。
- スタンドアローンでも利用できますが、ネットワーク対応をしているため、インターネットを利用することにより、農協のセンターに生産履歴のサーバを設置すれば、支所からもが可能で、コストやサーバ管理費用や労力の低減、農協全体での管理・集計が可能となります。
- 食品のトレーサビリティとしての基本要件である生産履歴のデータベース化はもとより、安全性確保の為に求められている内部監査や外部監査を支援するために農薬や肥料の管理、チェックを行うことが出来ます。
- 消費者に対する安心情報や商品情報を提供しやすくするために、産地や農産物の情報や農薬や肥料の使用履歴などの情報を容易に作成でき、インターネット上で公開や帳票出力、ファイル転送などで情報提供が可能です。また公開内容については対応状況により選択することが出来ます。
- 営農支援、販売支援の為の栽培、品質、土壌、資材、生産、労務データの集計、分析、帳票の出力が可能で、生産管理、品質管理(安全管理)、販売管理の支援ツールとして利用できます。
- トレーサビリティシステムは様々なシステムが既に導入または導入されることが予想されます。また営農、生産管理のためのシステムが既に導入されています。そのためJAや企業で導入済みの生産履歴システム、ホームページ公開システムなどとの連携、他のシステムとの接続・情報交換を可能とするように、接続を容易にする工夫をしています。
- 選果機、集出荷システムデータとの連携で生産・集荷業務の効率化と緻密な生産管理が可能になります。
- トレースナビは流通履歴のシステムも用意しており、流通履歴システムとの連携で、生産から流通までのトレーサビリティシステムが容易に構築できます。
- サーバのシステム運用がむずかしい農協に対しては山武が管理するデータセンタで管理代行、保守メンテサービスの体制を用意しています。
- ASP(Application Service Provider)にも対応し、月額利用が可能です。
本システムは平成15年度農水省トレーサビリティシステム導入促進事業の補助対象となっており、JA秋田ふるさとが様々なシステムの検討を行った結果、機能、性能や使いやすさ、トレーサビリティシステムへの移行のし易さなどを判断して採用を決定していただきました。また鹿児島経済連ではトレーサビリティシステムの実証試験に対して山武がアプリケーションサービスプロバイダーとしてシステム運用を受託しました。
システム価格は生産者、生産団体の規模や要求仕様により異なりますが、山武としてはトレーサビリティシステムの普及促進を図るために、生産履歴、情報公開を行う基本パッケージは無償提供を行います。上記システム構成機器と設置サポート費用を含み約100万円から導入可能で、OCRのカスタマイズ、インポートのカスタマイズ等を行う場合でも最大400万円程度で導入が可能です。またスキャナーを不要とする小規模の生産者には50万円程度で導入が可能です。
なお、トレースナビの他の集出荷システムや卸売市場流通履歴システム、小売店における情報開示システム等が用意されており、それらのパッケージとの連携でトレーサビリティシステムを構築できます。また品目としては青果物や米穀だけでなく、畜産等他の品目の生産履歴にも対応できるよう基本設計がされており、追加開発により低コストで対応します。
本システムは11月7日〜9日で九州農政局主催の九州食農創造展にてデモンストレーション展示を行います。また農協などの要請があれば現地でのトレーサビリティシステムの講演ならびに説明会などを行います。
- お問い合わせ
- 株式会社 山武 環境事業推進本部
TEL:03-3486-2151