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世界初、実用性能を持った燃料電池用水素センサー開発に目処
東北大学、凸版印刷、ボール社、山武がボールSAWセンサーを共同開発

2003年12月8日
東北大学
凸版印刷株式会社
ボール・セミコンダクター・インコーポレイテッド
株式会社 山武

東北大学(山中一司教授)、凸版印刷株式会社(社長:足立直樹)、ボール・セミコンダクター・インコーポレイテッド(米国テキサス州アレン市、社長:石川 明)、株式会社 山武(社長:佐藤良晴)は、ボールSAWデバイスとそのガスセンサー応用の共同開発で合意し、第一弾として、燃料電池の実用化に必須の水素センサーの開発に着手します。

(SAW:surface acoustic wave 弾性表面波)


SAWデバイスを用いたガスセンサーは、弾性表面波(一種の振動)が球の表面を伝わる際に、周囲のガス濃度によって振動の伝わる速さが変化することを利用して計測するセンサーです。この振動を伝わらせる距離が長いほど精度が高くなりますが、球の弾性表面波は普通の波のように拡がらず、赤道に沿った細いルートを周回する性質があることが東北大学と凸版印刷で1999年に発見されていました。ボールSAWセンサーではこの性質を活かして球の周りを数十から数百周周回させることで驚異的な精度と小型化を実現します。

4者で共同開発をめざすボールSAWセンサーは、直径1mmの水晶球表面の一部にすだれ状の電極パターンを形成するとともに、特定ガスだけを吸着する膜を球表面に成膜したものです。第一弾として水素を吸収するパラジウムを成膜して水素センサーの開発をめざします。
水素センサーは燃料電池の実用化に必須のセンサーで、水素量のコントロールや漏洩を検出する用途で近年その研究が盛んになっていました。既存の水素センサーは、常温で動作、水素だけに反応する、測定範囲が広い、計測時間が短い等、すべての条件を満たす製品がありませんでした。これに対し4者が開発に取り組むセンサーは水素濃度0.05%から100%の濃度範囲を常温で10秒以内に検出できる世界初の水素センサーです。

今回の4者共同研究に先立ち東北大学、凸版印刷は直径10mmの試作品を作成、実用レベルの性能を確認してIEEE・UFFC国際学会(10/6)で発表しました。より高性能な直径1mmのボール水素センサーの開発にあたっては、東北大学と凸版印刷がボールSAWデバイスの基礎的な開発を受け持ちます。球面半導体の製造技術については、ボール社がこれまで米国テキサス州で行ってきたボールSAWデバイス研究開発の設備とエンジニアを山武の藤沢工場に移し、山武は球面半導体製造技術の開発パートナーとしてボール社と共に、山武の藤沢工場で試作開発を開始します。4者は2004年度中には評価キットを提供し、2010年には水素センサー以外の用途を合わせて1000億円以上の市場が生まれると考えています。
凸版印刷はこの技術がセンサー用途だけでなく、信号処理デバイス、バイオ、ロボット等の次世代事業のキイになると考えており、山武はこれまで培った球面半導体製造技術を応用し、自社の環境事業の展開強化(ユニークなセンサーの品揃え拡大)をめざしてセンシング技術と商品化ノウハウを提供します。

ボールSAWセンサーは、超高感度なだけでなく複数の水晶球に様々な反応膜をつけて集積化することが可能なために、例えば1cm²の大きさで100種類のガスを同時に検知する超多機能検知センサーや、さらにはバイオチップへの応用も視野にはいります。
センサーヘッドである水晶球は回収して反応膜をつけ直すだけで再生出来るなど環境負荷が小さいセンサーデバイスでもあることから、他のアプリケーションについてのアイデアも広く募り用途拡大をめざしたいと考えています。
お問い合わせ
●東北大学工学研究科 山中研究室
  TEL:022-217-7357
●凸版印刷株式会社 広報部
  TEL:03-3835-5636
●Ball Semiconductor Inc., (米国テキサス州)
  TEL:+1-972-359-2495
●株式会社 山武 広報室
  TEL:03-3486-2451
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