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超小型の鏡面冷却式露点計「FINEDEW™」を開発
―燃料電池市場や科学計測市場に向け製品化を急ぐ―

2005年4月12日
株式会社 山武

株式会社 山武は、従来の鏡面冷却式露点計のセンサー部分を大幅に小型化した鏡面冷却式露点計「FINEDEW™(ファインデュー)」を開発しました。弊社では、微細加工技術を駆使して現状の製品サイズを1/10にするという「1/10プロジェクト」を展開していますが、これはその成果のひとつです。

湿度・露点計測には毛髪・乾湿球式や高分子容量式などいくつかの方式が実用化されていますが、FINEDEW™では精度に対する信頼感が最も高いと言われる鏡面冷却式を採用しています。鏡面冷却式は熱力学的原理に基づいて、「鏡面を冷やし、鏡面が結露する瞬間を光学的に読み取って、その時の鏡面温度(露点温度)を計測する」ものです。

従来の鏡面冷却式露点計のセンサーは、
  1. 計測チャンバーや、計測空気を吸引するポンプなどが必要で、装置が大がかりになる
  2. 計測チャンバーの内部で無用な結露が発生する心配がある
  3. 吸引系での時間遅れがある
  4. 金属鏡面を清浄に保つために維持・管理が必要になる
といった欠点がありました。

●従来の鏡面冷却式露点計センサーの概念図
HT-20
そこで、弊社の光電センサーの変調光技術を応用して計測チャンバーを用いない方式を開発し、さらに同軸構造を持った光学系を採用することにより、大幅な小型化に成功しました。また弊社MEMSの微細加工技術や組み立て技術をベースにしたシリコンチップを鏡面に採用したことも、小型化に寄与しています。FINEDEW™のセンサー先端部は直径12mmで、一般的な鏡面冷却式のセンサーと比較して体積比で1/100以下になりました。計測チャンバーを用いていないので吸引系も不要になり、無用な結露が発生するリスクが減り高露点雰囲気の計測も容易になりました。小型化や弊社の制御技術を適用することにより、従来にない高速応答性や良好な信号追従性も実現できました。

●FINEDEW™の概念図
HT-20

●特長

  • 熱力学的原理に基づく鏡面冷却式を採用
  • 計測チャンバーを用いないので吸引配管系も不要
  • 超小型化を達成
  • 応答性・信号追従性が抜群に良い

●利点

  • 計測精度に対する信頼感が向上する
  • 高露点雰囲気の計測も容易にできる
  • 計測対象に直接挿入できる
  • オンライン制御にも適用できる

●検討している対象用途

  1. 燃料電池の実用化にむけて
    燃料電池を効率よく運転するためには、燃料電池セルに供給される燃料ガスの湿潤状態を正確に計測する必要があります。そのために、精度に信頼感のある鏡面冷却式露点計を採用したいという強い要望があります。ところが、普通燃料ガスは結露寸前の高露点雰囲気なので、従来の鏡面冷却式露点計のセンサーはなかなか採用することができません。FINEDEW™ならば、燃料配管に直接挿入でき、高露点雰囲気を十分な応答速度で安定に計測することができるので、燃料電池の実用化に寄与する事ができます。
  2. 現場ハンディー型標準計測器として
    鏡面冷却式露点計は「標準計器として実験室や研究室で使う計測器」という認識が高く、現場ではより簡便なハンディー計測器や乾湿球などが多く用いられています。しかしこれら簡便なハンディー計測器の精度や長期安定性には不安を感じるユーザーも多く、定期的に鏡面冷却式露点計などの標準計器で校正しながら使うのが常識となっています。超小型という特徴を持つFINEDEW™は、可搬型で現場でも使用可能なハンディー型標準計測器(ハンドヘルドチルドミラー)になります。
  3. 成層圏領域のラジオゾンデとして
    地球環境の熱エネルギー収支の研究において、成層圏領域の水蒸気観測が重要であることが、近年明らかになってきています。現在気象観測用途に用いられているラジオゾンデには高分子容量式センサーが用いられているのですが、これでは気温が低下する上空11km以上では精度が悪くなるといわれています。FINEDEW™を用いれば、小型軽量の鏡面冷却式露点センサーを搭載したラジオゾンデの実用化ができます。
今後、展示会で好評であった燃料電池用途、山武が得意とする産業用装置組込用途、ハンドヘルドチルドミラーやラジオゾンデのような科学計測器用途などの製品化を加速し、年内にトライアル販売を開始する予定です。FINEDEW™の正式発売は2006年末を予定しており、現在のところ価格は未定ですが、初年度1億円の売上を目標としています。
お問い合わせ
株式会社 山武 技術企画部
TEL:0466-20-2408
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