ライフオートメーション事業強化でDNAチップ市場に参入
―1枚から低価格で製作可能なチップをサンプル出荷開始―
2006年6月14日
株式会社 山武
株式会社 山武
株式会社 山武(本社:千代田区丸の内2-7-3 社長:小野木聖二)は、基礎から応用研究領域に最適なオンデマンドカスタムDNAチップ「gemkey(ジェムキー)」を開発、今秋発売を視野に入れた活動を開始しました。
ジェムキーは、各種研究用途に応じた配列デザインのDNAチップを、必要なときに必要な枚数だけ供給できます。結果の検出方法も高価な専用の読取装置を必要とせず、目視による判定が可能な可視発色法を採用したため、これまでの汎用的な既製チップでは充実した機器を備えないと行えなかった食中毒や感染症病原菌の菌種判別や感染経路の特定、また、農水産物の品種鑑別などを手軽に行うことができます。これまでのカスタムDNAチップは合成方法上の制限などから低価格少数ロット対応が困難で、価格は1枚10万円以下に抑えることは困難でした。ジェムキーは独自のポリマーマスキング法(用語解説参照)による合成コントロールを実現したため、高価な初期費用を必要とする他手法では考えられなかった1枚からの注文に低価格(数万円/枚)で対応できます。また、従来は最短でも1か月を要する納期も2週間程度で顧客にお届けできます。
山武は2002年からフランスの原子力エネルギー庁の研究機関であるCEA-Leti(レティ)との間で、「チップ上での直接合成型DNAチップ(gemkey)」とその製造自働化技術について共同開発を行ってきました。このたび、当社のMEMS技術を適用することにより、多様な研究目的に対応したデザインのDNAチップについて、自在なプローブ配置ができ、容易にデザイン変更ができるシステムを実現し、複数の研究機関にジェムキーをサンプル出荷して性能評価を実施しています。
なお、ジェムキーの特徴である特殊核酸モノマーを用いた合成反応系および発色検出方法は、研究試薬品メーカーのシグマ アルドリッチ ジャパン株式会社と共同開発したものです。
山武はジェムキーを6月に京都で開催される第20回国際生化学・分子生物学会(6月18〜23日、国立京都国際会館)に出展、ワークショップで紹介してライフサイエンス、バイオロジー分野での展開を計画しています。今年度内に本格的な出荷を開始する予定で、2010年度の研究分野での売上は10億円を見込んでいます。
山武は建物分野のビルディングオートメーション事業、工業分野のアドバンスオートメーション事業に続く3本目の柱としてライフオートメーション事業に力を入れています。建物・工業分野ともに成熟化が進行する中、これらの事業で培ったオートメーション技術を人の生活分野やバイオ分野で展開するライフオートメーション事業を伸長させることで設備投資に左右されない強い企業体質づくりをめざしています。山武はジェムキーを1つの足がかりとして、近い将来に本格普及すると予測されるテーラーメード医療(用語解説参照)を視野に入れた活動を強力に展開していきます。
〜用語説明〜
- ●ポリマーマスキング法
- ポリマーでマスクすることでAGCTの塩基の選択を行う方法。フレキシブルな合成を確保しつつ、高価なフォトマスクを作成する必要がないため、コストを大幅に削減することができ、1枚からの合成も可能になりました。

↑画像をクリックすると大きく表示されます- 塩基を合成しないスポットをポリマーでマスクして保護
- 保護後、保護していないスポット表面をデブロック剤にて塩基固定できる状態にし、ポリマーを除去
- チップ表面に塩基試薬を流して固定できる状態にあるスポット、つまり保護していなかったスポットのみに塩基を固定
- 次の塩基を固定しないスポットをポリマーでマスクして保護
- 保護後、保護していないスポット表面をデブロック剤にて塩基固定できる状態にし、ポリマーを除去
- 次の塩基試薬を反応させ、固定できる状態にあるスポット、つまり保護していなかったスポットにのみ塩基を固定
- 次の塩基を固定しないスポットをポリマーでマスクして保護
- これら一連の操作を繰り返して目的配列を合成
- ●テーラーメード医療
- 個人の遺伝子情報を知ることで体質的傾向がわかり、それに合わせて最適な治療を行うもの。さらに疾病の早期発見から疾病予測・予防まで期待されている。
●CEA-Leti
正式名称:Laboratoire d’electronique de technologie et d’instrumentation
フランス原子力エネルギー庁(Commissariat a l’Energie Atomique )の研究機関
所在地:フランス グルノーブル
マイクロエレクトロニクス分野でヨーロッパの先端を走り、年間100件以上の特許が登録されている世界でも有数の研究機関。
ホームページ :http://www.cea.fr
フランス原子力エネルギー庁(Commissariat a l’Energie Atomique )の研究機関
所在地:フランス グルノーブル
マイクロエレクトロニクス分野でヨーロッパの先端を走り、年間100件以上の特許が登録されている世界でも有数の研究機関。
ホームページ :http://www.cea.fr
●シグマ アルドリッチ ジャパン株式会社
| 所在 | : | 東京都品川区東品川2丁目2番24号天王洲セントラルタワー 4階 |
| 代表取締役 | : | 張 恒雄(ちょう つねお) |
| 電話 | : | 03-5796-7300(代表) |
| 主要営業品目 | : | 研究用試薬、各種受託研究サービス、クロマト関連製品、化成品バルク |
| ホームページ | : | http://www.sigma-aldrich.co.jp/ |
- お問い合わせ
- 株式会社 山武 研究開発本部
TEL:042-770-9490