Case:4 ブリガム・ヤング大学
高いエネルギー効率とメインテナンスが容易な風量制御システム
安全な研究環境を維持するために
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老朽化した実験施設では、現在の安全規格の遵守が困難になる場合があります。生産性を拡大するために既存の実験室にヒューム・フードを増設したり、または、元来実験室用ではないスペースにまで施設を拡張する、といったことがしばしば行われるためです。 |
人検知センサ(ZPS)を装備した実験室用ヒューム・フードの前に立つ化学部長、
Francis Nordmeyer博士 |
メンテナンスが容易なシステム
居住者の安全確保が第一であると同時に、このプロジェクトにはその他にも様々な考慮すべき点がありました。
まずは、既存の冷暖房用中央設備プラントの能力を活かすことを含め、初期コストが課題でしたが、それ以上にシステム決定のプロセスにおいて重要な条件となったのが、エネルギー・コスト、オペレーションコスト、それにメインテナンスの運用上の問題でした。大学は、自らメインテナンスを行うことにしたため、システムのメインテナンスが容易であることが非常に重要な点でした。
美観面では、建物を他のキャンパスと調和させることと、屋根の排気筒の数と高さを最低限に抑える必要がありましたが、マニフォールド方式の排気システムを採用してモータと排気筒の数を減らすことにより、この問題は解決することができました。
エネルギー効率を最大限に高めるシステム設計
―Usage Bsed Controls™(UBC)使用状況に応じた制御システム
プロジェクトでは、サッシの位置とヒューム・フードの前に作業者がいるかどうかによって風量を自動的に調節するVAV(可変風量)方式が採用されました。作業者の在不在と動きを検出するのは、Usage Bsed Controls™(UBC)<使用状況に応じた制御システム>の1要素である人検知センサ™(ZPS)です。
この実験室風量制御方式の採用により、ダイバーシティ(同時作業率)の理論が十分に反映されたシステム設計が実現するのです。すなわち空調制御システムは、可能な限りの最大負荷ではなく、予測される最大の使用レベルに基づいて決定されているということです。
ダイバーシティは、人命を脅かさない用途(例えば、配管、電話など)のシステム設計には広く利用されています。しかし、生命の安全を考慮すべき状況においては、UBCが開発されその実績が証明されるまでは、ダウンサイジングの適用は慎重性を欠くものと考えられてきました。UBCは、ヒューム・フード利用者のじゃまにならず、安全に風量を抑制することで、エネルギー利用を効率化することができるのです。
プロジェクトでは、エネルギー・コストを更に削減するため、屋上排気構成に熱回収システムを組み込むように設計しました。3つの屋上機械室には、可変速ドライブ、熱回収コイル、フィルター、ダンパで制御されるファンがそれぞれ2基ずつ備えられていて、排気システム全体を停止しなくても、安全に装置のメインテナンスができる構成になっています。通常の42°F〜43°F(約5℃〜6℃)ではなく、48°F(約9℃)の冷水温度で建物を運用すると、さらにエネルギーが節減できます。教育用の実験室の各作業台には、小型のダウンドラフト式ヒューム・フードが設けてあり、室内への熱放出を最小限にとどめることができます。また、有毒物質を含まない作業を行う実験室においては、卓上のヒューム・フードが2位置バルブ1台に接続されており、実験室に人がいない場合に風量を抑制するようになっています。
運用コストの大幅削減が実現
BYUの施設責任者であるCliff Riley氏は、「このシステムは、非常にメインテナンスが容易で、またわれわれはその性能に大きな信頼を寄せています」と述べています。
化学部の部長、Francis Nordmeyer博士は、「このシステムは、我々の全ての期待に応えるもので、実験環境を効果的に制御しています」と語っています。
UBCは施設管理システムにデータを送ることができ、このデータで、フュームフードの利用状況を確認することもできます。また、キャンパス全体を管理するシステムと容易に統合でき、ヒューム・フードの詳細な利用パターンを記録できる従来のモニタリングに加えて、サッシの開閉状態などの情報も知ることができるのです。
1年間にわたるトレンドデータの取得が終了してみると、実験室使用時間帯のヒューム・フードの最大流量は、実験室全体で53,000 cfm(約86,000CMH)となりました。これは、同じ時間にサッシをすべて全開にしたときに必要な流量189,000 cfm(約189,000CMH)よりも、はるかに低い値です。初年度の電気コスト、冷暖房コストは、総額369,126ドル、すなわち2.09ドル/平方フィート(約23ドル/平方メートル)となりました。
もし定風量システムを選択した場合には、年間の運用コストは、520,000ドルを超えていたものと予想され、人検知センサ(ZPS)用の増分コスト100,000ドルを考えると、電気コストと冷暖房コストを見ただけでも、大学は8カ月足らずで機器コストの回収を実現したのです。
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ピーク時の使用風量が53,000 cfmであることを示す1年間のデータ |
