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Case:5 Milliken Research Corporation

ダイバーシティ設計 -ヒュームフードの同時作業率を考慮した設計- の適用で増設要求に応える。

徹底した研究で100%の品質を追い求めるMilliken社

Milliken社はスローガンに、「研究により品質のリーダーシップを」と謳っている、繊維製品の世界最大の民間研究機関の1つです。

南カリフォルニアのスパータンバーグにあるMilliken Researchセンターでは、研究者達が、Hyatt Regency、Opryland、L.L. Bean、Ford Motor Company、McDonald's、クレヨン製造業者のBinney & Smithなどの顧客と直接取引をしながら、新しいソリューションを求めて研究に取り組み、新製品の開発を行っています。
1989年には名誉あるマルコム・ボルドリッジ国家品質賞、1993年にはヨーロッパ品質賞を受賞しています。(Textile World 23回年間モデル工場、1995年6月から抜粋)

この品質に対する献身的姿勢により、Milliken社は市場において継続的に成長し、スパータンバーグ研究所の拡張が必要になったのです。スパータンバーグの実験施設を拡張することが決定した時には、研究者への障害を最小限に抑えることと、厳しい品質基準に適合させることが求められました。

Roger Milliken Research and Customer Centerでは、23台の新しいヒュームフードの増設(風量としては倍の能力)が必要となりました。1965年の建設時、当研究所は、二重ダクトシステムと当時として最高の装置を採用して建設されました。建物内既存の機械装置は、まだ正常に機能してはいたものの、追加したヒュームフードをサポートするために必要な風量の半分しか対応できませんでした。新しい空調機とダクト配管を設置するとしたら、研究者に3カ月間も研究を中断させることになり、それはとても容認できない事態です。新しい施設を建築すればこの事態は避けられますが、そういうわけにはいきません。

ダイバーシティ設計の適用で、費用をかけずに実験能力を大幅に拡大

このプロジェクトの成功は、当初相反すると思われていた2つの目標――(1)建物内のヒュームフード数を2倍に増設、(2)既存の機械システムの使用――の解決にかかっていました。
その解決法として挙げられたのが次の2つです。(1)ダイバーシティ(同時作業率)の概念を適用。(2)Usage Based Controls TM (UBC)<使用状況に応じた制御システム>を使用して、ヒュームフード前面で作業するオペレーターの存在の有無によって風量を自動的に調整。

ダイバーシティ(同時作業率)の概念では、実験室のヒュームフード全てが、特定時間に同時に最大容量で運転される確率はほとんどなく、数パーセントしかないとしています。また、典型的な研究実験室の場合、ヒュームフードの平均使用時間は1日に1時間であるという調査結果が出ています。

ユーザも驚く応答速度で研究者の安全性を保証

各オペレーターの安全は、各ヒュームフードの正面に取り付けられた人検知センサー(ZPS)によって保証され、ZPS は、Phoenix Controls社のシステムの標準コンポーネントと連動して機能し、その検出ゾーン内におけるオペレーターの存在の有無でフードの排気風量を自動的に増減させます。ヒュームフードの前に人がいない時に安全性を確保できる範囲で風量を減少させることで、エネルギー消費を40%以上削減することが可能です。このような風量の削減により、風量要求を大幅に減らしつつ安全な封じ込めを行うことが可能となるのです。

このシステムの採用決定に直接携わったシニア開発化学者のSteven Brown氏は、Usage Based Controls(UBC)とZPSに不慣れであったため、最初は、安全に関して心配していました。しかし、新ステムで作業を行うにつれ、そのような心配は急速に解消されていきました。6カ月間使用した後に、Brown氏はオペレーターの安全性が確実に保たれていることを実感しました。

「ヒュームフードの排気が休止した状態から一瞬にして最大風量に動くことに、非常に驚きました。」(シニア開発化学者のSteven Brown氏)。

(シニア開発化学者のSteven Brown氏)

ダイバーシティ設計により、
ヒュームフードの増設工事においても大幅なコスト削減と期間短縮が可能に

Milliken社の場合、ダイバーシティ(同時作業率)の考え方を基に設計され、設備の最大負荷率は約50%に設定しました。実験スペースを改造し、オフィス・スペースを新しい実験室に改装することで、実験スペースの拡大が可能となります。既存の機械設備は、容量を増やさずに新しく拡張されたシステムをサポートするように改造されました。新しい施設の建設費も機械装置への投資も避けることができました。また、既存のヒュームフードについても、UBC制御装置が取り付けられ、新しいシステムに完全に統合されたのです。

今回のプロジェクトは急を要し、3カ月で終了させることが望まれました。工事段階でも、既存の実験室の使用をほとんど中断することなく建物の状態を維持しました。

「研究を中断する時間を最小限に抑えることがこのプロジェクトの主要基準でした。工事期間中も研究は継続され、研究者への影響は最小限でおさまりました。影響といえば工事作業者が研究者の15〜20フィート以内に時々近づいてしまったというぐらいのものです」(Milliken社のシニア・エンジニアであるWilliam Ayres氏)。

二重ダクトのミキシングボックスにある風量調節機は取り外され、既存の空調空気用調節弁は、温度制御のためにそのまま残されました。風量を制御するために、Phoenix社のバルブがミキシングボックスの下流側の給気ダクトに取り付けられました。
「これだけ多くのヒュームフードをこのタイプの制御装置なしに設置したら、おそらく壁を崩すことになっていたでしょう」(Steven Brown氏)

横に並んだ8台のヒュームフードがある大きな実験室について説明しながら、Brown氏 は感心の表情を浮かべました。ダイバーシティ設計で設備最大負荷率を約50%にすることで、ダクトの増設や工事をすることなく、研究者の安全性を確保する制御を可能としたのです。

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