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Case:9 オハイオ州立大学 W.M. Keck研究所

多様かつ高度な要求に応える環境へのソリューション -動物飼育室-

オハイオ州立大学は、最高レベルの研究機関の1つです。多くの学究的実績、経験と最先端の研究で国際的に知られる教職員を含めた12,000強のスタッフと、米国最高の病院の1つとして常に名前が挙げられる医療センターがこの評を裏付けています。同大学の研究施設は、米国の学業と研究の基盤の1つとして重要な役割を果たしています。

実験研究施設は、研究を行いやすい環境を提供し、使用者の安全を確保するものでなければなりません。実験室の種類にもよりますが、安全とは、適切な換気と室圧、最適な温度と湿度、許容騒音制限を意味すると言えます。その中でも動物実験室または飼育施設には、最も厳重な換気制御が必要となります。

人間に比べて動物は温度や湿度に対し過敏で、許容範囲が非常に狭く、風にさらされたり、空気伝染病に汚染されたりする危険性にさらされれば大きな問題となります。研究者とサポートスタッフには、清潔で快適な環境が必要とされ、臭気レベルやホコリ、チリの粒子レベルを低く保つための換気制御が不可欠です。装置の熱負荷とあわせ、通常、100%外気を1時間に10〜15回換気(ACH)する換気回数が要求されます。動物飼育設備の設計においては、安定に制御された環境を維持するために、換気制御は最も重要な要素です。

切替え可能な保持室を使用した柔軟性を考えた計画。
遺伝子施設では、通常、加圧に保たれた部屋で作業が行われます。伝染病が発生した場合には、負圧状態が維持される封じ込めモードに部屋を切り替ることができます。

安全性と利便性を両立させた柔軟な設計が課題

オハイオ州では、分子神経科学の研究に力を入れることにしたため、搬入される動物を安全に移すための厳格に管理されたスペースが必要となりました。この作業をサポートするために、以前の図書スペースを2つの検疫室と4つの保持室を持つトランスジェニック動物用施設に改装しました。建築家のSteve Galli氏は、動物実験室に幅広い経験を持ち、これら6つの部屋を切替え可能にする案を打ち出しました。研究のニーズが頻繁に変化することを考えると、他のすべての要素を安全に維持した上で、室圧状態をスイッチ1つで正圧にしたり負圧にしたりする柔軟性が必要でした。
プロジェクトの他の条件を下記に示します。

規定換気回数の維持
低騒音レベル
すべての重要な機械システムのための、ユーザー・フレンドリーなインターフェース
最小限のメンテナンス

解決策

遺伝子施設では、1対のマウスに3千から5千ドル投資されている可能性があり、設計においては危険性を最小限にすることが特に重要です。(トランスジェニック動物とは、特定遺伝子の分子影響に関する研究のために、染色体構造に他のDNAが注入された動物)。環境制御システムが不安定な場合、長年の研究が台無しになる可能性さえあります。W.E. Monks & Companyのプロジェクト・エンジニアのTodd Miller氏は、教育用実験室での経験はあるものの、動物施設を手がけたのは今回が始めてでした。しかし、換気制御の信頼性が重要であることは理解していました。

同氏は、元々病院の隔離室用に開発された装置であるPhoenix Controls社の室内モニターを使用して制御する切替え可能な部屋を設計しました。その壁取付けモニターにはキースイッチがあり、部屋の圧力極性を簡単に変更し、かつそれを維持することが可能です。現在、2つの部屋は検疫スペースとして使用され、他の4つの飼育室が加圧されているのとは逆に、減圧されています。検疫室は、搬入されるマウスに病気がないことが分かるまで可能性のある病気を封じ込めるように減圧されています。将来の柔軟性以上に重要と思われることは、予期できない病気が発生した場合に部屋を隔離状態に変更できることです。切替え可能な部屋は、即座に減圧状態にできるため、空気感染する病原体を閉じ込めて部屋間の交叉汚染を防ぐことができます。

室内の換気回数は、ILAR(実験動物研究協会)の推奨により、10〜18 ACHの範囲になるように設定されました。このような高い換気回数では、ダクト配管での反響による騒音からくる動物行動への悪影響の可能性が懸念されます。特定の部屋では、Phoenix Controls社のバルブの出力周波数に調整された、Neutralizer TMと呼ばれる騒音中和装置が給気ダクトに設置され、各オクターブ帯での音響レベルを低減させます。

結果

「Phoenix Controls社の製品を使用したことはありませんでしたが、良いシステムであることは人からいつも聞いていました。このようなアプリケーションは非常に重要であり、高レベルの制御装置を使用したのは当然のことです」(プロジェクト・マネージャー Todd氏)。

工程は、オハイオのコロンバスにある地域プロジェクトとPhoenix Controls社の代理店Precision Air社による現場のサポートにより円滑に進みました。

建築家のSteve氏は、数多くの実験室プロジェクトに携わり、多くの異なるタイプの風量制御装置を経験してきました。同氏は、特に差圧を制御するときには、ベンチュリーバルブの技術的特性の方がバタフライダンパーより優れていることを確信しました。

大学の研究用動物資源ディレクターであるDr. William Yonushonis氏は、当施設は、大学構内でPhoenix社のシステムを採用した2番目の動物施設であり、最初の施設はBSL2(バイオセーフティー・レベル)とBSL3機能を持ったAIDSと癌の研究のための霊長類用センターであると説明しています。
「W.M. Keck 遺伝学研究所とともに、私たちは研究者が分子精神科学のトランスジェニック動物研究に移行できる最高水準の動物施設を持つことになりました」(Dr. Yonushonis氏)。

同大学は、最先端の研究で高い評価を受けていますが、この最高水準の施設によって、今後その評価は更に高まっていくことでしょう。

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